2012年7月27日金曜日

血よ!

人の体には真っ赤な血が流れている。

「肉と血」

これを肌で感じたコンサートであった。最高だった。

オーケストラで演奏する一人一人の中から沸き出る音楽を、感じる事が出来た。

今日は初めて客観的に聴いたシティオペラのオケのガラコン。「歌」と言うステージを客観的に見たけど、う~んやっぱりいいな~☆

気分がいいので自家製杏酒♡



今日は、ひびしんホールオープニング事業 
九州交響楽団 定期演奏会 北九州公演 
シティオペラメンバーによるオペラガラが行われた。

もちろん今日の出演者は、オーケストラとの共演が経験豊かな実力派歌手揃い。

素晴らしかった!!!

会場は130%くらいの入り具合ではなかっただろうか。何せ通路と言う通路には補助席が次々と作られた次第。ひびしんホール大ホールは3階まで満席以上。

こんな素晴らしいコンサートですから、会場がいっぱいで良かった!

初めは森野由みさんによるマノンレスコーからスタート。

車が止められず遅れて着いた私たちを『演奏中ですから』、と入らないように止める係りの人。

いえ、これで入らないと、彼女の歌は聴けないので、入らせていただきます。(と入りました^^;)
↑当然!!^^; 赤ん坊が騒ぐでなし、静かに入れば大丈夫です!

決して大きな声量の持ち主ではない森野さんだが、その表現力と音楽の作り方はだれよりも大きい。さすがだ。彼女の作りだす音楽がオケの音楽に、上手にのる。

それを絶妙にコントロールしながらバランスをとるマエストロ・アジマン氏 。デ・グリューのアリアに続き、マノンのアリア、そして藤田君との二重唱へ続く大満足のステージだった。ずっと見ていたい!聴いていた、そういう気持ちにさせる舞台を作られていたのには感動した。

そして森野さんは、そもそも素敵な方だが、なんとも舞台姿の美しい方なのです。。。 美しい、という言葉を上回る、光り輝いている、といった方が適切だろうか。これは一般的に言うビジュアル的な「美」とはまた違う、その人の内面の「美」。このオ―ラがステージの上でびんびん放たれるのです。

その曲の理解力。私ももっともっと勉強しなくては!と思わされましたね。

プログラムはドン・カルロへと進み、
日野妙果さんのアリア。美声・・・声量・・・そして、メゾの特有の温かさ。
ホールが温かい空気に包まれた。

会場はプログラム一曲目から熱くなっていたのだが一部の最後の「運命の力」蓮井氏、森岡氏によるステージでかなり盛り上がる。声、声、声。

声でもって全てを伝えるということを実感させられた二人の名演だった。

休憩に入るが、お客さんは口々に満足している様子でワインを飲み、おしゃべりされていた。
結構一人で来られて一人でワインを飲まれている男性が目立った。
オペラ好き、なのだろう。

トロバトーレでは久保さんが登場。う~ん、衣装が素敵だった!この時私は、客席を移動したのもあって声とホールの感じがよく分からなかったが、きっと良く響いていたのだろう思う。久保さんの響きは若干他の歌手たちと違うように感じたのは私だけ!?だろうか・・・

そしてナブッコの合唱へと続いた。

全てのプログラムを通して感じたこと。

アジマン氏の音楽の素晴らしさだった。

イタリア人のアジマン氏。燃えるような音楽。そして、彼は常に歌い手が歌いたいように感じてくれ、なおかつ自分の音楽で導く。歌い手の事情を本当によく理解して下さっている指揮者なのだ。

例えば、
歌い手のとるブレスは、管楽器のブレスとは全く違う。
歌い手のテンポルバート、歌い手のカデンツ、ファエルマータ、、、これらは当然だが、管楽器のタイミングとは違うのだ。

これらは当然なことだと思われがちだが、実際なかなか難しい。こちらの事情というのはなかなか外には現れず、ある程度実力のある歌手になると、歌いにくさは表に出さないが、実はストレスを思いっきり、感じている。ものなのだ・・・。

それを見事に理解されているマエストロ・アジマンの指揮は、客席から見ていても歌い手の呼吸を敏感に感じ取り、振って下さっていた。だから歌い手はきっと自分の思い通りに声が出せるのではないかと思う。

歌い手のいない序曲のオ―ケストラ演奏も素晴らしくここは、本当に北九州なのかと一瞬分からなくなるほどだった。この空間はその瞬間、間違いなく「イタリア!!」だった!

終わってすぐにアジマンの楽屋へ♪


私は2年前の椿姫で彼の指揮で歌ったのが初めて。次は来年2月アイーダ。オケも九響なので今日のこの公演のような熱い音楽をこのオケメンバーと共演できるのかと思うと今から楽しみだ。
アジマン氏の作りたい音楽を限りなく表現できるように、私の練習は今日から始まる♪

こんな素晴らしい音楽家たちと共演できる幸せと、何と言っても世界レベルのバリトン歌手蓮井先生に感謝。